高収入で社会的信用性も高い銀行員。いざ辞めようと思っても、後悔しないか不安に思う人は多くいます。2021年10月、元銀行員50人に行ったアンケートで銀行員から転職した人の声をまとめました。
- 以前はワークライフバランスにおいて、時間的精神的にワークで大半を占められていたが、転職後はそれからは解放された。
- 時間に余裕ができた/都心のオフィスで便利/自席での落ち着いた業務ができる
- 最初に提示された条件通りの仕事内容であり、風通しが良く上司に相談しやすい環境のため。
アンケートの結果、「転職して良かった」と答えた人は50人中49人。「転職して悪かった」と答えた人の理由は、転職した中小企業は所謂ブラック企業でした。
本記事のまとめ
- 銀行員は社会的信用が高い
- 転職エージェントを利用してキャリアアップ
- 計画的に動くことで銀行員を辞めても後悔しない
銀行員を辞めて後悔すること
前述したように、銀行員を辞めて後悔する人はほぼいませんが、銀行員を辞めて後悔しないために辞めた場合のマイナスポイントを4つお伝えします。
- 社会的信用が低まる
- ステータス・ブランドがなくなる
- 福利厚生がなくなる
- お給料が下がる可能性がある
辞める前に、マイナスポイントを知っておくことで対策をとることもできます。
社会的信用が低まる
銀行員はお金を扱うプロとして、社会的に信用されやすい傾向にあります。そのため、銀行員はクレジットカードの審査やローンを組むことなどで困ることは少ないです。
銀行員を辞めた場合、転職先の職種にもよりますが、社会的信用が低まる可能性があります。
そのため、新しく申請するクレジットカードやローンを組みたいとき審査に落ちるケースが増えることもあります。(特に独立する場合には、クレカやカードローンでさえ組めなくなるので、注意が必要です。)
しかし、辞める前から良いクレヒス(クレジットカードの利用履歴)を積むことを意識することで審査落ちの対策もできます。
ステータス・ブランドがなくなる
銀行員は高収入で社会的信用も高いためハイステータスな職業のひとつです。自身の自信や優越感にも繋がりますし、結婚の際にも、相手が銀行員となれば、その安定性や収入面での評価も高いだけに優遇されることも少なくありません。
ただ、銀行員という職業は真面目すぎたり面白くないタイプが多かったり、いちいちお金に細かそうというイメージもあります。そのため、個人的には、元銀行員というブランドを利用するほうが得だと思いますね。
福利厚生がなくなる
銀行の福利厚生は、非常に手厚いです。銀行員は異動や転勤が多いことで有名ですが、各地に社宅完備しており月に1〜2万という破格で住むことができます。また単身赴任の場合、給料とは別に交通費が支給されるので、家族に定期的に会いに行くのにも困りません。
有給の取りずらい銀行も、冠婚葬祭の際はしっかり休むことができ慶弔金をもらうこともできます。さらに、メガバンクだと提携している高級ホテルがあり、格安で宿泊できる福利厚生もあります。
給料が下がる可能性がある
銀行員は、朝早く夜遅くまで残業で土日は勉強に試験など労働に見合った給料ではないと言われています。ただ給料やボーナスの金額だけ見ると、世間一般より高いと言えます。
さらにメガバンクに勤めている場合、30歳を超えるとどんな人でも年収1,000万円は手にできる業界です。これだけの給料をもらえる職業は、少ないので転職先によっては給料が下がる可能性がありますね。
銀行員を辞めてよかったこと
社会からの信用も高く、ハイステータスな銀行員を辞め難いと思っている人もいるでしょう。本章では、銀行員を辞めてよかったこと5つをご紹介します。
- ノルマからの解放
- 土日が自由
- 接待飲み・接待ゴルフがなくなった
- 1円で大騒ぎすることがない
- 体育会系からの脱却
辞めてよかったと思う理由は人それぞれです。自身にとって辞めることのメリットが、どのくらいの割合を占めているのか考えてみると今後の行動が見えてくるかもしれませんね。
ノルマからの解放
銀行員は、新規預金獲得やカードローンなど達成しなければいけないノルマがありますが、かなり鬼畜なことで有名です。ノルマを達成しても上乗せしてさらに利益を上げるよう言われます。
達成できなかった際には、上司からの詰めがはいります。個室に呼び出されて1〜2時間説教されたり机や椅子を蹴られ怒鳴られたり、銀行員を辞めることでノルマや過度な詰めから解放されます。
土日が自由
銀行員になると、投資信託や保険を売るために必要な資格はもちろんビジネスツールになる資格や検定、 昇進するための銀行業務検定試験や内部の検定など3〜4年目までは、資格取得や勉強をしなければいけません。
試験は土日に行われることが多いですし、容易に受かる試験ではないため日々の勉強で土日も潰れると嘆く人は多くいます。転職を考えている場合は、次の仕事で土日やプライベートが確保できるかどうかも重要ですね。
接待飲み・接待ゴルフがなくなった
いまの若い人は、アフター5や休日を利用して仕事以外の人脈を広げる傾向にあるため昔ほどの付き合いはなくなってきています。ただ、歓送迎会や期末・月末の打ち上げ、お客さんとの接待飲みなどさまざまな飲みの機会がある銀行員は、少なからずまだあります。
ゴルフも年長者の娯楽となってきており、接待やコンペなどは減ってきていますが接待ゴルフの伝統は残っています。仕事の時にはできないプライベートな話ができることで顧客と良好な関係を築くことができますが、貴重な土日を捧げたり気を遣うゴルフはしたくないですよね。
1円で大騒ぎすることがない
「たかが1円、されど1円」と言いますが、銀行は人生を左右することもある、大切なお金を扱う場所なのでお金にとてもシビアです。就業時は必ず集計しますし、集計時に1円でも足りなければ大事件です。
まさに1円足らず、就業終わりに全員で大捜索。1年目の新人銀行員のポケットからでてきたとき、他の銀行員の冷たい目、翌日からの冷たい対応。
耐えられずに、匿名内部相談。翌日、上司に呼び出され説教、さらに周りからの対応も悪化してしまったということも。他職種であればここまで酷い目にあうことはなかったでしょう。
体育会系からの脱却
銀行員は、真面目でお堅くどちらかというと地味なイメージがありますが内部は、ガチガチの「体育会系」です。厳しい縦社会で、上司の言葉の強制力には誰も逆らうことができないです。さらに言葉もキツく時には机や椅子を蹴るなど乱暴なことも多々あります。
営業やノルマに厳しい業界で、上司も威厳を保たなければいけませんし仲良しこよしでは成立しないのは確かです。厳しい縦社会がストレスに感じている場合は、ノルマのない他業種であれば、体育会系からの脱却ができるでしょう。
辞めて後悔しないためにまずすること(社内)
本章は、銀行員へ少なからずメリットを感じている人や未練があり辞めるかどうか悩んでる人にむけて、辞めて後悔しないために試してほしいこと3つをご紹介します。
- 上司に相談
- 異動願いの検討
- 休暇をとってみる
冒頭のアンケートにより銀行員を辞めて後悔する人は、ほぼいないのでいまストレスを感じていたり辞めたいと思ってる人は本章はとばして「それでも辞めたいと思ったら転職活動」をご覧ください。
上司に相談
業務量やノルマが厳しいと感じて悩んでいる場合は、上司に相談して業務量を減らしてもらう、ノルマを低く設定してもらうことなどを検討してもらいましょう。
ノルマを低くなんて無理に決まっていると思う人もいるかもしれません。ただ、相談する場合は、1日の業務量や各業務にかかっている時間を明確に伝えると上司の理解も得られやすくなります。
異動願いの検討
人間関係が原因で悩んでいる場合、部署異動届を提出することも1つの手段です。仕事を覚え直さなければいけないというデメリットはありますが、同じ金融であれば0からスタートではない分、負担は少ないです。
異動を希望する場合は、人間関係に耐えられず異動したことは伏せたほうがいいです。一度言ってしまうと、噂話によって話が広がり再度、同じ状況になる可能性が高くなります。
休暇をとってみる
有給を取得したい場合は、休みを取っていいよと声をかけられることはほぼありませんので自分から申請しましょう。有給休暇は取得しずらいとたまっている人も多くいますが、有給を申請して断れるご時世ではないので安心して申請してください。
翌日、ひとりひとりへ「お休みありがとうございました」のお礼周りや遠出の場合、お土産選びなど面倒臭いこともあります。ただ、いま辞めようか悩んでいる人は、仕事から離れてみて後悔しないか考えるといいでしょう。
辞めて後悔しないためにまずすること(社外)
平日は遅くまで仕事、土日は試験に勉強とプライベートな時間が少ない銀行員ですが、辞めて後悔しないためにプライベートで試してほしいこと2つをご紹介します。
- 家族・友人に相談
- 気分を変えてみる
仕事の忙しさにかまけて、自分の時間を後回しにしてしまいがちな銀行員におすすめです。
家族・友人に相談
上司や同僚など、職場の人に相談するのが苦手という人は、一番身近な家族や気の知れた友人に相談するのがいいでしょう。一人で考え込むより、誰かに話してみるだけでもスッキリして解決の糸口がみえることがあります。
また、職場以外の人に相談することで客観的な意見を聞けるというメリットもあります。自分だけの狭い世界観で、考えるより他の人の意見を聞いて視野を広げてみましょう。
気分を変えてみる
銀行の仕事にやりがいもなくストレスを感じている人や仕事を辞めたいと考えている人にとって家と仕事場の往復のみの生活は負の思考に落ち入りやすいです。そのような状態でだした答えに良い解決策はありません。
外食をする、趣味に没頭する、体を動かす、何でもいいので仕事から離れて気分を変えてみましょう。ポジティブな状態で考えることが重要です。
それでも辞めたいと思ったら転職活動
銀行員に何かしらの不安や不満を持っている人には転職をおすすめします。冒頭で述べたように、銀行員から転職して後悔している人はほぼいないからです。本章では、転職活動をする際に行ってほしい4つのことをご紹介します。
- 自己分析
- 次の仕事に求めるもの
- キャリアプラン
- 転職エージェント登録
失敗しない転職に必要なことですので、転職を考えてる人におすすめです。それぞれ詳しく解説します。
自己分析
銀行員で培った経験を転職活動に活かすには自己分析がおすすめです。応募先に自分が「会社にどれだけ貢献できるのか」「いままでのスキルをどう生かすのか」という点をアピールできるよう整理するといいでしょう。
転職活動のファーストステップとして、実際に企業に応募したり、履歴書を作成したりする前にある程度自己分析をしておくとスムーズにいきます。
次の仕事に求めるもの
転職先では、銀行員のように理想と現実のギャップが起きないようにしましょう。
自分の「好きな仕事」「やりたい仕事」を考えることも大事ですが、自己分析を元に自分の強みを知り「自分に向いてる仕事」選びを意識すると、企業とのミスマッチを防ぐことができます。
収入や通勤時間、残業や福利厚生など仕事内容以外にもさまざまなことを気にしなければいけませんが、それぞれどこまでなら妥協できるのかを考え、優先順位をつけておくとブレずに転職活動ができます。
キャリアプラン
銀行からのキャリアパスを考えたとき、他職種でのキャリアアップを不安に思う人は多くいます。しかし、営業やノルマ達成、正確な事務作業をこなしてきた銀行員は、他業界でも活躍できるスキルが十分に身についています。
また証券会社や経営コンサルティングなど、金融の知識を活かした職業もたくさんあります。自身の頑張り次第では、年収1,000万円が当たり前の銀行員を超えることもできるでしょう。
転職エージェント登録
求人サイトから直接応募する方法や紹介による転職も増えていますが、初めての転職活動やキャリアアップをしたいと考えている場合には、転職エージェントを利用することをおすすめします。
金融系企業に転職する場合、転職エージェントを利用するのがおすすめです。転職エージェントを利用すると、非公開の求人を紹介してくれたり転職の知識ややり方がわかるといったメリットがあります。
まとめ
銀行は高収入で社会的信用も高く憧れの職業の1つですが、最近では古い企業体質を避け人気が落ちている職業でもあります。
営業やノルマ、過度な詰めを受けない企業はたくさんあります。残業なしや休日に仕事を持ち込まなくて済む企業もたくさんあります。
大事なことなので何度もお伝えしますが、銀行員から転職して後悔している人はほぼいません。計画的に転職活動をすることで、いまの状況を脱却できますので辞めようか考えている人は転職を検討してみてください。転職の成功を陰ながら応援しております。
元バンカーのECオタクです。現在は中国OEMなどで生計を立てています。一企業の経営者です。