「本業をしながら副業で稼ぎたい」「けど勤め先にはバレたくない」という方は多いのではないでしょうか。
転職サイトdodaが1,500人に行った調査では、2022年時点で副業をしている人の割合が8.2%、検討している人は18.4%という結果になりました。
検討中の人のなかには、副業禁止の会社で「バレてクビになるのが怖い」という人もいるはずです。
そこで本記事では、副業に関して厳しい銀行員について「副業は可能なのか」「バレたらクビになるのか」など、実際に副業がバレた人のエピソードと併せて紹介します。
現在:銀行員の副業が解禁されはじめている
現状、銀行員の副業は徐々に解禁されはじめており、2022年時点で副業や兼業を認める地域金融機関は43機関に達しました。
前年の21機関から約2倍に増えていることから、金融機関の副業解禁の波は凄まじい勢いであると言えます。
金融機関の副業解禁が増加した理由としては、外部からの経験を積むことでスキルアップを促したり、地元への貢献に役立てたりできるからです。
引用元:佐賀新聞ニュース「地域金融、副業解禁相次ぐ 1年で倍増 スキル向上、地元貢献狙い」
銀行員は黙ってやった副業がバレるとクビになることもある | 就業規則次第
政府は、副業を促進する考えを示しているため、前提として副業をしてはいけない人はいません。
ですが、政府の通達とは別に各銀行には就業規則があります。
仮に就業規則で、副業が禁止されている場合、副業をすると「規約違反=クビ」ということになるのです。
近年では就業規則でも副業がOKになってきている銀行が多いですが、多くの場合は届け出が必要になります。
したがって、就業規則に届け出が必要と記載されているのにもかかわらず、黙って副業をし、それがバレてしまえば懲戒免職やクビの可能性は十分にあります。
一般的に副業は、給与から天引きされる住民税の額や第三者からの噂などにより勤め先にバレてしまうことがあります。
バレただけであればペナルティだけで済むこともありますが、会社に不利益を被っていた場合には、さらに重い処罰にもなりかねません。
次項では、実際にあった副業がバレてしまった人のエピソードを紹介します。
副業がバレてしまった人の末路
「副業がバレたらペナルティを受ける」と言われてもあまりイメージが湧きにくいかもしれません。
本項では、副業禁止であるにも関わらず無断で副業をしてバレてしまった、以下3つのエピソードを紹介します。
- 北海道銀行行員2名が無許可で副業し懲戒解雇処分に
- 地方公務員が転売副業で減給処分に
- 税務署職員が外部情報により副業がバレて免職処分に
エピソード①:北海道銀行行員2名が無許可で副業し懲戒解雇処分に
北海道銀行では、行員2名が自らの収入を得るための副業を無許可で行い、銀行とは関係のない商品販売の勧誘を行っていたという問題が発覚。
勧誘先の中には、銀行業務で関わったお客さんも含まれていたとのことです。 北海道銀行は該当の行員2名に対し懲戒解雇処分を下しました。
銀行業務で関わったお客さんを自分の副業のお客さんとして商品販売やサービス提供するのは、競業避止義務違反でもあり信義則違反でもあります。
また、お客さんからの信用を失う可能性もありますので、銀行業務の顧客を利用した副業は行わないようにしましょう。
参考:ScanNetSecurity「 元行員が副業で商品販売の勧誘し懲戒解雇処分に、北海道銀行の顧客にも」
エピソード②:地方公務員が転売副業で減給処分に
三重県伊勢市の地方公務員が、インターネットオークションでスニーカーなどを転売して計約1,900万円の収入を得ていたことが発覚。
該当の市会計課の係長級男性職員には、6ヶ月間、減給10分の1の懲戒処分が下されました。
このように本業とは全く関係のない副業であったとしても「副業禁止」という就労規則に違反しただけで重いペナルティを与えられてしまいます。
転売や中古品の売却による売上も副業としてみなされるため、どのような形式であったとしても副収入を得る場合には注意してください。
参考:産経新聞「スニーカー転売で2千万円儲ける 伊勢市が職員を副業禁止違反で懲戒」
エピソード③:税務署職員が外部情報により副業がバレて免職処分に
国家公務員である税務署職員が、無許可で風俗店に勤務し800万円超を報酬として受け取っていた問題が、外部からの情報提供により発覚。
東京国税局は、国家公務員法に基づき該当する女性職員を懲戒免職処分にしました。
発覚後の調査によると、女性職員は1年間で計165日にわたり計8店舗の風俗店で勤務しており、その大半が病気休職期間中でした。
副業禁止であるにも関わらず副収入を得ていたことはもちろん違反行為ですが、加えて仕事を休み本業に支障をきたことも信義則に反する行為です。
参考:JIJI.COM「風俗店勤務で報酬800万円超 女性税務署員を免職―東京国税局」
関連記事:【抜け道】銀行員は副業できる?おすすめの副業6つも紹介
クビにされないための2つの副業条件
大前提として、副業がバレてクビになるかどうかは銀行の規程によります。
その上で、最低限この条件を守っていればクビは免れるんではないかという基準で以下の2つの条件を紹介します。
- 副業が銀行業務に影響しないこと
- 副業が法律に違反しないこと
副業が銀行業務に影響しないこと
銀行業務は信頼第一に成り立っている仕事です。
しかし、副業内容によっては銀行業務に対する信頼が損なわれる可能性があるため、副業が銀行業務に影響しないように配慮することが求められます。
例えば、迷惑系ユーチューバーのような投稿は社会的信用性を失う行為ですし、風俗店の勤務なども銀行員としてのクリーンなイメージを損なう行為に該当します。
副業をする際にも、銀行員としての自覚を持ち「お客さんが知ったらどう思うか?」を考えた上で副業内容を選びましょう。
副業が法律に違反しないこと
当たり前ですが、法律に違反しない副業を選びましょう。
特に銀行員が副業をする場合には、金融商品取引法に違反しないように配慮することを心掛けてください。
例えば、ブログや動画配信サイトで「銀行員が語る有価証券の最新情報」といったタイトルで根拠のない内容を投稿したとします。これは、相場を変動させる危険性のある風説を流布し偽計したものとみなされる禁止行為に該当するため行ってはいけません。
根拠のある内容だとしても、未公表の内容が含まれている場合は、インサイダー取引規制に違反します。
金融商品取引法に違反した場合、刑事罰、業務改善命令等、または課徴金納付命令の対象になる可能性があるため、絶対に違反しないようにしてください。
金融商品取引法とは
金融商品取引に関する法律のことであり、株式や債券など、さまざまな金融商品の取引に関するルールが定められたものです。
金融商品取引において不正行為を行う者に対して罰則が設けられているため、取引の公正性を確保するための役割も担っています。
初めての副業の探し方
銀行員が副業するには気を付けるべきことが多いため、「どんな副業をすればいいの?」と思う方も多いでしょう。
そんな方のために、初めての副業の探し方を紹介します。
- 自分のスキルや趣味を洗い出す
- 時間的に管理可能か検討する
- 副業に適したサービスを探す
Step1.自分のスキルや趣味を洗い出す
副業は限られた時間で行うものであるため、効率よく最大限の収入を得られる内容が望ましいです。
従って、自分の強みを活かせる副業を見つけるのが最善です。
「自分の強みがわからない」という方は、自己分析ツールや本を使ってみると良いでしょう。自己分析ツールを使えば、質問に答えるだけで簡単に自分の長所や短所を診断してくれます。
以下のサイトでは無料で自己分析が行えます。
他にも、転職サイト・転職サービスに登録すると自己分析診断が受けられるものが多くあるため、登録が面倒でない方は利用してみるといいでしょう。
Step2.時間的に管理可能か検討する
副業は本業に支障が出ない前提で行うものです。銀行業務に専念できるよう、副業の時間管理にも配慮する必要があります。
副業が銀行業務との両立ができるように、そもそも時間的に管理可能な副業であるかどうかを検討しましょう。
また、副業が健康に影響しないようにすることも気をつけてください。ただでさえ銀行業務には多くの責務がありストレスが溜まる仕事ですよね。
副業によってさらなる負荷がかかると、健康に悪影響が出る可能性も十分にありえます。
睡眠時間を削って行わなければならない副業や、本業の就業時間中に進めなければならない副業は絶対に長続きしないのでやめておきましょう。
Step3.副業に適したサービスを探す
近年、新型コロナウイルスの影響もあり、スキマ時間に在宅でできる副業も増えてきました。そんな在宅ワーカーが副業を見つける手段として、クラウドソーシングサービスがあります。
クラウドソーシングサービスとは、仕事を発注したい企業と仕事を探しているフリーランスや副業ワーカーを結ぶマッチングサービスです。
利用するメリットとしては、業務の受注から納品まで全てWeb上で完結すること、受注までに書類選考や面接などが不要であることが挙げられます。
最近はさまざまなクラウドソーシングサービスが出てきているため、自分が使いやすく副業内容に合ったサービスを探してみると良いでしょう。
関連記事:【抜け道】銀行員は副業できる?おすすめの副業6つも紹介
副業をするなら登録しておきたいおすすめサービス
クラウドソーシングサービスと一言に言っても、その特徴や使いやすさはサービスによってさまざまです。
今回、副業を始める銀行員の方におすすめするサービスは以下の3つです。
- クラウドワークス
- ココナラ
- ランサーズ
上記のサービスは、全体的に案件数が多く、Webサイトだけでなくアプリもあり使いやすいため、長く利用している人も多くいます。
1つ1つの特徴を紹介していきます。
クラウドワークス
クラウドワークスは、案件数・知名度ともに業界No1のクラウドソーシングサービスです。
取り扱っている仕事のカテゴリーは250種類以上あり、未経験者向けの案件が豊富に揃っています。筆者も初めて副業に挑戦したときはクラウドワークスを登録しましたし、今もメインに利用しています。
大手企業・政府も発注者として登録しているため、副業から大きな案件を受注する可能性もありえます。
多様な案件が揃っているなか、未経験者向けの案件も多いため受注しやすい環境である反面、単価が安くなってしまうというデメリットもあります。
クラウドワークスで経験や実績を積んだあとは、専門性の高いフリーランス向けのエージェントを活用するのも1つでしょう。
ココナラ
ココナラは「スキルマーケット」というキャッチコピーの通り、知識やスキルなどを売買できるサービスです。
例えば、ライティングの経験を活かして「記事の執筆」や臨床心理士の資格を活かして「お悩み相談」などのサービスが出品されています。
専門的な知識やスキルを所持していて、そのスキルを活かしてスキマ時間に稼ぎたいという方にぴったりのサービスです。
ランサーズ
ランサーズは、導入企業400,000社以上、仕事のカテゴリー350種類以上を誇る業界No.2のクラウドソーシングサービスです。
掲載されている案件は、アンケートやデータ入力といった単純作業から、翻訳、サイト制作など専門スキルが求められる仕事まで幅広くあります。
筆者の個人的感覚としては、クラウドワークスよりも専門性の高い依頼内容が多いイメージです。
未経験・初心者のうちは受注率が上がらないかもしれませんが、自分にできる仕事を見つけてコツコツと実績を積み上げていけば、単価の高い案件を受注できるようになります。
まとめ
副業禁止の金融機関で、銀行員が副業をした場合、クビになる可能性は少なからずあります。
ただ、最低限「副業が銀行業務に影響しないこと」「副業が法律に違反しないこと」の2つを厳守していれば、万が一バレてしまっても解雇は免れるでしょう。
まずは、紹介したクラウドソーシングサービスに登録してみて、どんな仕事があるのか確認してできそうなものを探してみてくださいね。
Webライター/シナリオライター。本業の営業経験を活かしながら、副業でWebライターや動画シナリオライターとしても活動中