数年前まで、銀行員は安泰とのイメージがありました。しかしそのイメージも崩れ、離職する人が後を絶ちません。
実際に銀行員から転職するのに、どのような対策をしたらいいのかわからない方も多くいます。
本記事では「銀行員をやめて転職したい方」が転職先を探す際にどうすればいいかをわかりやすく解説します。
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本記事のまとめ
- 銀行員が転職を考えるのは自分にとってマイナスな理由が多いから
- 転職の際の志望動機は本音を素直に言うのではなくやる気を上手にアピールする必要がある
- 転職はポジティブな転職理由を持っている方が有利
そもそも:銀行員も含めて転職理由は基本ネガティブ
そもそも転職をするのは、銀行員含めて職場に不満があるからです。
「給料が低い」「労働時間が長い」「聞いてた仕事と違う」などさまざまな理由があり、基本的にネガティブなものが多いです。
仕事によって転職理由は違いますが、現状の仕事に満足していれば転職をすることは基本的にないと言っていいでしょう。dodaの「2020年ランキング調査」によると、転職理由の中には以下のようなものがあります。
- 倒産/リストラ/契約期間の終了
- 会社の将来性が不安
- 給与への不満
上記の調査から、現状の仕事に満足していないから転職をする構図がみて取れます。
参考:転職理由ランキング2020年度<総合>| doda
給料が見合ってない
かつて銀行は年収が高いイメージがありました。しかし銀行といっても地方銀行からメガバンクがあり、就職先によって給料に大きな差があります。
メガバンクとして挙げられるのが以下の3つです。
- 三井住友銀行
- 株式会社三菱UFJ銀行
- みずほ銀行
メガバンクは30代以降になれば年収1,000万円になり、40代では1,500万円と高給取りです。
また、Presidentによると、各銀行の平均年収は以下のようになっています。
President onlineより引用
上記の通り、「銀行員=年収が高い」はこのメガバンクのことを指していると考えて問題ありません。
しかしメガバンクは年功序列なので20代のうちは年収が高くありません。
さらに、同じ銀行の地方銀行では、年功序列といってもメガバンクほどの高給ではないことがよくわかります。
例えば、トップ10に入っている三井住友FGと9位の静岡銀行の差は約400万円。同じ銀行業界でもこれだけ離れているのです。
仕事が激務で大変
銀行員は土日祝日は休みですが、残業があります。
銀行といえば定時退社して終業後は好きなことができ、ワークライフバランスが整っているイメージがありますが、残業をすることはよくあります。
営業では、厳しいノルマが課せられ、仕事も激務です。「窓口業務は窓口が閉まれば終了」と思う方も多いようですが、実際には窓口がしまった後にも伝票締め・現金・印紙・切手・重要印刷物締めなど、さまざまな業務があります。
1円でも残高がずれてしまえば、前銀行員で合わせてその「1円」を探し出すため、そうした非効率性が残業を生んでしまうこともあります。
心が折れてしまった
営業で厳しいノルマを課され、給料が見合ってないともなると心が折れてしまいます。
しかし給料が安くとも、周りの環境やノルマが厳し過ぎなければ多少は余裕ができるでしょう。
ですが、銀行のように厳しいノルマが課されれば、従業員の余裕はなくなります。また、上司からの厳しい一言にも心を折られてしまうかもしれません。
その結果、全体的にピリピリとした雰囲気になり、「仕事が辛い」「ノルマを達成しなければ厳しいことを言われる」と思い、心が折れてしまいます。
営業までやらされることになってしまった
銀行の顔となる窓口業務を志望したのに、営業までやらされることになったというのは珍しい話ではありません。
銀行の営業は「金融営業」といって、経済や投資などお金について勉強をする必要があります。
営業は厳しいノルマを課せられ、成果を果たすのは簡単ではありません。
成果を取ったり、業務をしたりするには日々勉強が必要で、業務によっては資格が必要になるので忙しくなります。
本来やりたい業務とずれている、そうなるとやりがいを感じず忙しいので「イメージしてたのと違う」と転職を希望する方が出てきます。
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銀行員の転職理由を本音で書いていけない理由
転職理由はネガティブなものが多いですが、転職に「仕事が忙しいから」「定時で帰れる仕事がしたいから」と本音を書いては転職成功は難しいです。
その理由を以下3つ説明します。
- うちもやめてしまうかも…と心配になる
- 仕事にやる気がないのかと判断される
- 上昇志向の人間が求められるから
それぞれ詳しく解説します。
うちもやめてしまうかも…と心配になる
もし新たな就職先が残業が多く、業務が忙しい場合、「仕事が忙しかったから」と言う理由で銀行をやめて転職をすると、うちもやめてしまうのでは?と心配になります。
- 仕事なのだから多少は忙しくとも我慢して欲しい
- 忙しくともテキパキと仕事をしてくれる人がいい
というのが企業の本音です。
そのため「忙しいからやめた」「定時で帰りたい」などの理由になると、うちにきてもやめてしまうと判断されてしまいます。
そのため「もし忙しいから退職した」という理由でも、本音は言わないようにしましょう。
仕事にやる気がないのかと判断される
今の時代は、定時には仕事を全て終わらせて帰宅するのが有能な社員と判断されることが増えていますが、それは仕事ができる前提です。
入社したてで「定時に帰りたい」「残業はしない」などを言っていると、「仕事を覚える気は無い」「勉強しようという意欲がない」と判断されてしまいます。
定時に帰るのが悪いことではないですが、そこを全面に出してしまうと「仕事はどうでもいいのか」と思われてしまいます。
仕事にやる気がないわけではないというのもわかりますが、待遇面ばかり強調していると仕事には注目していないと判断されるでしょう。
上昇志向の人間が求められるから
企業が求めている人材は上昇志向のある以下のような人間です。
- チームのリーダーになりたい
- 引っ張っていけるような人になりたい
- 会社の期待に応えたい
反対に「そこそこ稼いで休みがほしい」「昇進には興味なく、このまま平凡な暮らしをしたい」という方はあまり求めていません。
上昇志向でなければ、「勉強をせずに、仕事に熱意がない」と感じられてしまうからです。
企業としては、それよりも上を目指して勉強をして業務に励むような上昇志向の人間の方が会社の役に立つと思っているでしょう。
上に行くことが全てではありませんが、企業側からしたら向上心を持って業務に取り組んでくれるのは、将来性があると期待ができます。
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銀行員の転職理由の伝え方:志望動機はポジティブに
「本当はネガティブな転職理由なのに、嘘をつくのはよくない」と思うかもしれません。しかし、ここで一度相手の立場に立って考えてみましょう。
あなたは、ネガティブな理由で退職した社員を採用したいと思いますか?
もちろんネガティブな理由があったことはわかりますが、他にも感情はあったはずです。
- 違う仕事にも取り組んでみたい
- もっと挑戦してみたい
きっと、上記のような気持ちもあるのではないでしょうか?
こうしたポジティブな感情こそ、採用担当者が求めていることです。したがって、転職理由を伝える際は、ポジティブなポイントを前面に押し出すことが大切です。
具体的には以下3つのポイントがあります。
- 当事者意識/責任がありそうな内容を書く
- プラス1の価値提供ができることを書く
- 銀行では学べないことを学びたい思いを前面に出す
それぞれ詳しく説明します。
当事者意識/責任がありそうな内容を書く
ここで働くという当事者意識/責任があることを書きましょう。
具体的には今企業が抱えている問題に対してどう考えているか、業務に対する考え方、入社後はどのようにしたいのか今のことから将来のことについて書きましょう。
具体的なプランがあれば、企業からは「当事者意識がありそうだな」という印象を持ってくれます。
あまり足を突っ込みすぎるとお節介と思われるのでそこは匙加減が必要ですが、「条件がいいから入社してなんとなく働きます」では無責任と思われ、業務を任せたいとは思われません。
一社員としてどのように考えているか、責任を持って業務に取り組んでいることをアピールしましょう。
銀行で責任のある仕事をしていた方はそれを書くとアピールになります。
プラス1の価値提供ができることを書く
多くの企業は求めていることをしてくれるのは当然と考えています。
それを前提とし、さらにプラス1で企業に何のメリットがあるのかを書きましょう。
求められていることをするのは大前提です。何を提供してくれるのかによって、そこで差が出ます。
付加価値を上手にアピールできなければ、「言われたことしかできない人」とレッテルを貼られてしまいます。
ですので、入社したら具体的に何ができるか書くようにしましょう。
膨張しすぎたアピールはNGですが、できることを書くことによって、企業からは「求めている人材だ」と思われるかもしれません。
銀行では学べないことを学びたい思いを前面に出す
銀行では学べないことを学びたい=学ぶ意欲があると判断されて、先ほど紹介した上昇志向につながります。
銀行は窓口であればルーティン作業になりますので、クリエイティブな業界であれば銀行にないことをアピールしましょう。
そのためには銀行ではどのような業務をしていて、どのような経験が多かったのかを紙に書き出し、転職先の特徴を書き出してみると、それぞれの特徴がわかります。
ここから学べなかったことを把握して転職先で学べることを全面に出しましょう。
プラスαとして、学ぶために何をするかをいうと具体的で好印象です。
何事も具体的にいうと「口先だけ」という印象を抱かれず、きちんと考えているという印象を抱かれやすくなります。
銀行員の転職理由で面接官から聞かれることと対策例文
世の中には銀行員は安泰でやりがいのある仕事と思われているため、採用担当者によってはなぜ転職するのか疑問に思われることがあります。
また、そうでなくとも必ず「なぜ銀行員から転職するのか」と聞かれます。その際にスムーズに応えると印象も良くなるでしょう。
うちの会社の方が給料低いけど大丈夫?
地方銀行の平均年収は630万とメガバンクに比べて低く感じますが、この数値は国税庁調査の2021年の平均年収433万を大きく上回ります。
そのため、転職して年収が下がることは珍しくありません。
「もしうちの会社の方が給料低いけど大丈夫?」と聞かれたら、「売り上げアップに貢献して給料に反映されるように頑張ります」など会社にもプラスになる発言をしましょう。
給料ではなく、やりがいが目的なら、企業は安心できます。
年収は求人票にある程度書かれていますので、もし低くなるのが嫌であればそこは応募しないようにしましょう。
なんで銀行員からうちの会社なの?
これもよく聞かれる質問の一つです。「どうしてうちの会社にきたの?」というのは、言い換えれば「なぜうちの会社でなければダメなの?」ということです。
同じ業種の会社はいくつもあり、その中からどうしてそこの会社を選んだのか具体的に説明できるようにしなければなりません。
- とりあえず目についたから
- なんとなく
などの理由だと
上記のように思われてしまいます。
そうならないために、なぜそこの会社でないとダメなのか詳しく言えるようにしましょう。
そのためには企業サイトを見て、どのような企業理念でどのような事業を展開しているのか、他社にはないところに着目するようにしましょう。
銀行員時代に苦労したことはありますか?
「銀行員時代に苦労したことはありますか?」この質問の意図は、苦労したことがあった際にどのような対処をしたかです。
どの仕事にも必ず苦労はあり、銀行を辞めたとしてもなんらかの形としてその苦労はやってきます。
その際にうまく対処できないと潰れてしまう、適応力がないと見られます。
そのため、銀行員時代に何に苦労をしたのかだけではなく、その際にどうしたのかまで言うようにしましょう。
そうすることで、「うちの会社で苦労してもやっていける人材だ」と認められます。
仕事は辛いことの方が多いことがありますので、うまく自分で対処できないと長く続けられないと思われてしまいます。
そうならなたいめにも、苦労したときどのように対処しているのかスムーズに答えられるようにしましょう。
銀行員の転職理由でよくある質問
銀行員から転職する際にはさまざまな質問があります。
特に初めての転職であれば、さまざまな疑問があるでしょう。
これらの疑問に対する答えを頭に入れておくことで、スムーズに答えられます。
そもそも銀行になんていって辞めればいいかわからない
よくある質問の一つが、「退職する際に何を言ったらいいのかわからない」です。
どの仕事にも共通するのですが、退職する際は「退職させていいただきたいです」ではなく「退職します」と言い切る形にしましょう。
ホワイトな環境であればお願いから受けてくれることが多いですが、ブラックな環境であれば承認を得なければ辞められません。
ですので、「退職します」という強い意志を感じられる言葉にしましょう。
もし理由を聞かれたら、なぜかを加えて納得してもらえるようにしてください。
引き止められてもきちんと意思表示をしましょう。
銀行員から事務職に進む際の志望動機はどうすればいい?
激務である銀行員から人気の転職先が事務職です。
事務職と銀行員は窓口業務でなければ、あまり接点がないと思われるかもしれませんが、正確さを重視されるという共通点があります。
頑張りももちろん大事ですが、銀行員で得た知識を事務職で活かせるというアピールの方が大事です。
特に年齢が上がれば上がるほど、即戦力が求められるので役立てるということをアピールしましょう。
絶対にNGなのが前職の悪口や後ろ向きな発言です。先ほども紹介した銀行員の転職理由を本音で書いていけない理由とつながります。
書いてはいけない=言ってはいけないことです。
事務職は基本的に定時上がりで休みもあるのが魅力的なところですが、だからといってそこを全面に押し出さないようにしてください。
あくまで力になれる部分があるというのをいいましょう。
地方銀行からの転職理由におすすめはありますか?
地方銀行からの転職理由におすすめなもの、転職先で何がしたいかです。
基本的にどの転職活動でもなぜ転職したのか、なぜここにしたのかが重要です。
ですので、「どこでもいい」というそぶりは見せずに、「ここで働きたい」ということを言いましょう。
しかし「ただ働きたいです!」ではなく、「〇〇だから働きたいです」と理由も一緒に合わせて言ってください。
抑えるべきポイントとしては以下の3つになります。
これらを頭に入れて転職理由を言えば、マイナスイメージを抱かれることはなく、上昇志向な人間と思われます。
決して後ろ向きな理由や、前職の悪口は言わないようにしましょう。
まとめ | 第三者の視点も併せてポジティブな転職理由を考えよう
転職理由はネガティブなものがほとんどですが、 第三者の視点も併せてポジティブな転職理由を言うことが大事です。
自分のみならず、採用担当者からどう思われるか、客観的に見たら自分は自分を採用したいと思うかどうかを考えてみましょう。
自分視点からの発言だと、周りが見えてきません。知人に面接の練習をしてもらうのもいい方法です。
本音はネガティブでも採用担当者の前ではポジティブにを意識して、転職理由を考えましょう。
銀行員→転職した女性の体験談をまとめました!
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銀行員の女性の転職先でおすすめはある?実例まで含めてやさしく解説!
元バンカーのECオタクです。現在は中国OEMなどで生計を立てています。一企業の経営者です。