銀行員は「安定している」「社会的信用が高い」というイメージが強いため、男女ともに人気の職業です。
しかし、実際に働いてみると人間関係へのストレスや過酷な業務に「思っていたのと違う」と銀行員からの転職を考える人も多いのではないでしょうか?
初めて転職を経験されるのであれば、「いまよりも良いところにい行きたい!」と思う方も多いことでしょう。
本記事では、銀行員からの転職を考えている人に向け、銀行での経験・スキルを活かし有利に転職できる職種や転職時にアピールしておくと良いポイントをご紹介します。
関連記事:【実体験】銀行員におすすめな転職先はどこ?年齢別のおすすめまで徹底解説!
銀行員からの転職は難しい?未経験・子持ちも大丈夫!
結論からお伝えすると、銀行員からの転職は事前に銀行員としての強みや有利な転職先を把握していれば難しくありませんし、未経験の業界や子持ち女性の転職も十分に可能です。
銀行員として培った金融に関する知識や経営者層への営業経験は、他業界にとって重宝されるスキルになります。
高い専門性と経験を活かして、銀行員からの転職を成功させましょう。
銀行員が転職を考える主な理由
実際に銀行で働いてみると、
- 銀行業務が合わない
- 古い社風が合わない
- ストレスばかりが溜まる...
と悩む方、とっても多いです。
もちろん独立をしたい!などとポジティブな理由で辞めるかたも多いのですが、それよりもネガティブな理由で転職される方の方が多いが実情です。
ここからは、銀行員が転職を考えるよくあるキッカケを解説します。
- 押し売りへのプレッシャー
- 人間関係へのストレス
- 資格取得のためになくなるプライベート
- AI導入によるリストラ
押し売りへのプレッシャー
銀行員は個人や支店単位でノルマが割り当てられ、ノルマ達成のために融資営業や金融商品の販売に取り組むことになります。
達成できるかは今後の出世に大きく影響するため、多くの銀行員は毎日ノルマに追われる日々ですよね。ノルマ達成のための早朝出勤や1日3時間を超える残業にうんざりしている人も多いでしょう。
また、数字を気にするあまり売りたくもない金融商品をお客様に紹介しなければいけない「押し売り」の罪悪感から転職を考える人もいます。
人間関係へのストレス
行内は上下関係が厳しかったり年功序列の文化が色濃く残っていたり、風通しがあまり良くない職場ばかりですよね。
また出世のためには「上司の言うことは絶対」であり、古い考えを持つ上司や堅苦しい社風にストレスも溜まります。
規律や先代の考えを重んじることは大切なことですが、時代錯誤のいき過ぎは銀行から多くの転職者を出す原因の1つと言えるでしょう。
資格取得のためになくなるプライベート
銀行員は仕事で必要な資格取得のために半永久的に勉強し続けなければなりませんよね。
入行直後には「証券外務員」「生命保険募集人」「損害保険募集人」などの資格をとる必要があり、その後も出世のためにはさまざまな資格取得していかなければならないのです。
金融知識が豊富なのが銀行員の長所である一方で、資格取得のためにプライベートの時間が割かれていくのは避けられないことです。
こうして働いていない時間さえも拘束されてしまうことに嫌気をさし、銀行員を辞めたくなる人も少なくありません。
AI導入によるリストラ
近年では、AI導入により業務の効率化やコストの削減など、銀行員が「安定した職業」と言われることに危機感を感じている人も多いのではないでしょうか?
実際、従来のサービスを撤廃し店舗の削減や人員削減を積極的に行っているメガバンクが増えてきました。
例えば、みずほフィナンシャルグループは2019年度下期から店舗再編を本格化させており、グループの38拠点を削減しています。さらに2024年度には、130拠点を削減する計画を発表しました。
システム化できる事務作業が多い銀行に焦りを感じ、銀行とは異なる業界へ転職を考える人も多いようです。
参考:みずほフィナンシャルグループ 2019年度決算 会社説明会
銀行員が抱く転職に対する不安
銀行員が転職する際に抱く不安として以下の3つが挙げられます。
- 年収・待遇が下がってしまうかもしれない
- 銀行員というプライドを捨てきれない
- 家族や周囲から反対されたらどうしよう
不安を抱えたまま転職活動をすると、気持ちに迷いが生じてしまい、転職面接に影響を与えかねません。不安要素は転職活動前に取り除いておきましょう。
年収・待遇が下がってしまうかもしれない
銀行員は一般的に他業種に比べ年収が高い傾向にあり、転職をするにあたっても「年収・待遇」を重要視する人は多いですよね。
必ずしも「年収・待遇」の良さが人生の幸せとは限りませんが、仕事をする上でのモチベーションの1つになります。
「生活レベルを下げたくない」という観点からも、転職先によって金銭的な不安は大きいでしょう。
ただし、当メディアが50人に対し行った調査によれば、銀行員からの転職で、若手の場合は平均年収が4%ほど上がったことがわかりました。
したがって、うまく転職をすれば年収が下がらず、むしろ上がることが多いことがわかっています。
関連記事:銀行員の強みって何?実際に自己PRで使った例文も紹介【実は知らない】
関連記事:【2021年12月最新版】金融業界からの転職に関するアンケート調査
銀行員という肩書きを捨てきれない
銀行員という肩書きに憧れて、就職する道を選んだ人も多いのではないでしょうか?
行内には「自分はエリート人生を歩んでいる」と自負している人もいるでしょう。
銀行員は毎日の業務が辛かったり人間関係が厳しかったりしても、周囲からは「高級取りで社会的信用も高い」というステータスになる職業です。
銀行員を辞めると、そうしたステータスを全て失うことになります。
「〇〇銀行の〇〇さん」という肩書きを捨てきれずに、転職を諦めてしまう人は多数います。
家族や周囲の反対に押し切られる
誰にでも就職できるわけではないのが銀行員です。
せっかく就職できたのに「辞めるなんてもったいない」と周囲から転職を引き止められる可能性もあります。
もったいないかどうかは、自分の価値観で判断すれば良いことです。
ですが、支えるべき家族がいるのであれば、仕事をやめて家族が守れるのかを考えてみてもよいでしょう。
家族を安心させるためにも、銀行員を辞めたい...と思った瞬間から転職サービスに登録しておき、いつでも辞められる準備をしておくことが大切です。
関連記事:【辛口レビュー】銀行員におすすめの転職エージェントを徹底比較
銀行員が転職するときのアピールポイント
銀行員はビジネスマンとしての評価が高く、転職活動では有利になることも多いので自信をもって挑みしょう。
銀行員が転職するときのアピールポイントとして、以下の4つが挙げられます。
- 計画に基づいた目標達成能力
- コンサルティング要素を含む提案型営業
- 実践的な金融知識・経営知識
- 自己研鑽に励む人間であること
「次の仕事でも、今まで銀行員として培ってきたスキルや経験を生かすことができる」ということを上手く伝えられるようにしておきましょう。
計画に基づいた目標達成能力
銀行員は普段から多くのノルマが課せられているため、達成に向けて「いつまでに何をしておくべきか?」の計画を練り実行する力があります。
さらに行動した結果をもとに「次はどこを修正したらより良くなるのか?」という改善策を考えられる力も銀行員としてアピールできるポイントの1つです。
また、融資や資産運用などお客様の大切な資産を取り扱うミスの許されない仕事であるため、正確性は他の社会人よりも群を抜いて高いです。
他業種と比べて評価されやすく求められるスキルですのでしっかりアピールしていきましょう。
コンサルティング要素を含む提案型営業
銀行員の最大の武器は、企業の代表者や経営者層と直接商談をする際に身につく「提案型の営業力」です。
営業担当であれば、お客様の潜在的ニーズを汲み取った上で、金融商品や融資の提案をする必要があります。無形商材を扱うからこそ、潜在ニーズを発見し、商品を提案する必要があるのです。
こうした高い営業力は、質の良い商談からでないと生まれないので自信を持ってアピールしていきましょう。
転職の面接時には「営業する際に意識していたこと」や「どのような実績をあげたか」など、実際のエピソードを交えながら伝えられるとより効果的です。
実践的な金融知識・経営知識
銀行員の強みの1つとして「金融・経営への膨大な知識」があり、具体的に以下の3つが挙げられます。
- 資産運用や資産形成のコツ
- 財務諸表の分析や資金調達のノウハウ
- 節税の方法
金融・経営への知識は、他業種へ転職しても十分に活かせます。
特に同じ金融業界であれば、正しい知識に基づいたリスク管理能力が評価され、面接もスムーズに進むでしょう。
また、他の業界でも代表者や経営者層と同じ目線で話せる経営知識があるというだけで好印象を与えられます。
日常的なお金に関する知識を持っていることは有利ですので、取得した資格を通して得た知識や実際の経験を交えながらアピールしていきましょう。
自己研鑽に励む人間であること
銀行員は「真面目で目の前のことに一生懸命な人間」というイメージを持たれやすく、実際にそういう人が多いのも事実です。
日々細かいタスクをこなし目標に向かってコツコツと取り組む姿勢や、時間と労力を割いて多くの資格を自主的に取得するのは、志高い人間であることに他なりません。
「自分自身を磨く姿勢」を持っている人は、どの業界・職種においても大きく成長すると見込まれることが多く、求められる人物像でもあります。
現状に甘んじず、目標の実現に向かって自己研鑽に励むことのできる意欲的な人間であることをアピールしていきましょう。
銀行員から転職するなら自身のキャリアに合った転職先を選ぼう
自分のキャリアに合った転職先を見つけやすいよう以下の3つのカテゴリに分けて、おすすめな職種をご紹介します。
- 20代の銀行員の場合
- 30代の銀行員の場合
- 女性銀行員の場合
「転職は初めてで他業種についてあまり詳しくない」という方は、具体的な職種を3つずつご紹介しているので、ぜひ一読ください。
忙しい時にこそ、僕のオススメする方法を参考に自身にあったエージェントを選んでくださいね。
【20代銀行員なら】幅広い分野で活躍できる
20代の銀行員であれば、第二新卒(23〜26歳)として新卒に近い感覚で採用されるケースが多いので、基本的にどの業界・職種にも転職しやすいです。
また、20代はこれからのポテンシャルに大きく期待できるため、特に以下のような業種は若手を求めています。
- IT業
- コンサルティング業
- 不動産業
自分のやりたいことや興味のある業界・職種があるのであれば、思いきって飛び込んでみましょう。
ただ、若ければ若いほど「どうして辞めたのか?」について、シビアに問われます。転職面接では必ず聞かれる質問ですので、事前にしっかり答えを用意しておきましょう。
【30代銀行員なら】金融系・経理部が一般的
30代の転職には「即戦力」が求められるので、転職後すぐに活躍できる仕事として、同じ金融業界や社内の経理部だと転職しやすいケースが多くあります。
金融業界であれば銀行員の高度な専門性を活かせるので、転職後に成功しやすくキャリアアップも十分に狙えます。
具体的には、以下の業種が挙げられます。
- 証券会社
- 保険会社
- クレジットカード会社
中小企業の経理部門や管理部門のポジションも財務知識を活かせる業務なのでおすすめです。
一方で、未経験の業界や職種への転職は「即戦力」になりにくいので厳しくなります。もし未経験の業界や職種へ希望する場合は、求人の募集要項にある「求めるスキル・資格」を事前に習得しておくと良いでしょう。
【女性銀行員なら】正確な業務遂行能力を生かせる業務
一般職の女性銀行員の場合、窓口や事務作業をメインとして働いている人がほとんどではないでしょうか。
内部業務の経験からは書類作成や顧客対応など、細かい作業をコツコツとこなす業務遂行能力やコミュニケーション能力に長けているので、以下の職種がおすすめです。
- 一般事務
- 営業事務
- 秘書
内勤業務への転職は、残業が少ないので「育児や家事で忙しい人」「プライベートの時間を大切にしたい人」に向いています。ただ、ネックになるポイントとしては、大幅な年収アップや出世は期待できないことです。
総合職での経験がある女性銀行員であれば、営業力やリスク管理能力も備わっているので営業職としても転職しやすく、結果次第では高収入も見込めます。
関連記事:銀行員の女性の転職先でおすすめはある?実例まで含めてやさしく解説!
まとめ:銀行員ならではのアピールポイントを生かして転職活動に臨もう!
銀行での仕事や人間関係が合わずに銀行員から転職する人は多くいますが、当ブログのアンケートによると後悔する人はほとんどいません。
転職活動において、銀行員の市場価値は男女関係なく非常に高く、お伝えしたアピールポイントを面接時に起用すればより有利に働くでしょう。
「銀行員から転職したい」と考えている人は、今まで銀行で培ってきた専門性やスキルを武器に、自信をもって転職活動に臨んでみてください。
なお、転職情報については識学総研も参考になります。
Webライター/シナリオライター。本業の営業経験を活かしながら、副業でWebライターや動画シナリオライターとしても活動中