銀行員であれば、出世して地位も収入も上げ「安定的な生活を送りたい」と思う人は多いですよね。
出世するために重要なことの1つとして資格取得があります。
お金を扱う職業だけに必要な資格は聞き馴染みのないものや難易度の高いものが多く、現役銀行員でも「どれから手を出せばいいかわからない」という人も多いのではないでしょうか?
本記事では、銀行員を目指す学生や新入行員に向けてわかりやすく「必要資格の概要」と「銀行の仕事でどう役立つ資格なのか」を解説します。
銀行員は勉強ばかり?なぜ資格取得が必要なのか?
入行前も後も資格取得が必要な銀行員にとって、勉強は切っても切れない存在です。
いくつもの資格を取得することで知識が増える分、「仕事の幅が広がる」だけでなく、上司や取引先からの「信頼度向上」にも繋がり出世にも大きく影響します。
また、銀行によっては試験費用の負担があったり、取得すると報酬を得られたりする制度もあるので事前に確認し活用していきましょう。
メガバンク銀行員になりたい大学生におすすめ資格一覧
銀行への就職を考えているのであれば「メガバンクへ入行したい」と思う人も多いのではないでしょうか?
以下3つの資格は、就職面接までに取得しておくと若干有利になります。
- 自動車運転免許
- 日商簿記3級
- TOEIC800点前後
エントリーシートに目を引く資格があると、面接官の印象に残りやすいですし、自己PRも自信を持ってできますよね。
ただし、あくまでも「やる気」が伝わるだけであり、銀行の色によってその他の評価項目は変わりますので注意してください。
自動車運転免許
一般的に入行後は、支店での事務作業が多いですが、地方銀行では営業回りやフォローのため車でお客様の元へ行くことは珍しくありません。
また、都心であっても法人営業であれば取引先へ車で出向く場合があります。
自動車運転免許は、時間のある大学生のうちに取得しておくのがおすすめです。
銀行によっては、募集段階で「自動車運転免許保持者」を条件としている場合もあるので、「取っておけばよかった」とならないようにしましょう。
日商簿記3級
簿記では、企業やお店のお金の流れを帳簿に記録するためのルールを学びます。
帳簿の記録ができると、経営成績や財政状態を把握するスキルが身につくので、自分の営業成績に必要な融資や経営者層との交渉で必須のスキルといえるでしょう。
簿記検定には、日本商工会議所が主催する「日商簿記検定」と全国経理教育協会の「簿記能力検定」があります。
知名度の観点からおすすめなのは日商簿記検定です。
若干難易度は高いですが2級まで取得すると、周りと差別化ができ面接でのアピールポイントになります。
個人的にオススメするのは下記の2冊です。
TOEIC800点前後
TOEICは、国際ビジネスコミュニケーション協会が実施する民間試験です。
しかし、英検(実用英語技能検定)が日本だけの資格であるのに対し、TOEICはアメリカにルーツがあり、いまでは世界160カ国に受験する人がいる世界的な資格でもあります。
メガバンクでは、「グローバル人材の確保」や「海外拠点の現地化」に注力しているため、英語力がある人材は重宝されます。TOEIC800点前後あると面接で有利になるでしょう。
また、最近では銀行によって、昇格基準に「TOEIC600点以上」と設けているところも増えてきています。
なお、個人的にオススメなのは英語学習をするならBizmates!
公式サイト:https://www.bizmates.jp/
Bizmatesはビジネス英語を学べるので、日常会話を学ぶよりも効率的に学習を進められるんです。
ビジネス英会話と聞くとつい「難しそう...」なんて感じてしまいますが、実はビジネス英会話の方が学ぶ内容が少ないんです。
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銀行に就職したら持ってないといけない資格一覧
銀行に就職したら必ず取得しておくべき資格についてご紹介していきます。
銀行によっては3年目までに取得必須資格のロードマップが引かれており、取得できなかった場合「出世コースから外される」こともあり得ますので気をつけましょう。
また、銀行には資格取得のためのプログラムが用意されていますが、難易度によっては不十分なものもあります。必要に応じて、自主的な学習や一時的に専門学校に通うことも検討してみましょう。
資格名 | 難易度 | 専門学校 or 通信制の必要性 |
証券外務員一種 | 低い | なし |
生命保険・損害保険募集人 | 低い | なし |
銀行業務検定 | 級によっては高いが過去問暗記でOK | なし |
ファイナンシャルプランナー技能士(FP)2級 | 中 | 場合によっては検討 |
日商簿記2級 | 中 | 場合によっては検討 |
証券外務員一種
証券外務員は、預金や株式の売買、投資信託、生命保険といった金融商品を取り扱うための資格です。
証券外務員には、一種と二種がありますが、一種を取得しないとすべての金融商品を取り扱うことができません。
証券外務員の合格率は、毎年7割程度ですので事前学習をしていれば難しくないでしょう。
試験も毎回似たようなパターンの問題ばかりなので、テキストや参考書を読み込み、知識問題と計算問題の両方を解けるようにすれば大丈夫です。
生命保険・損害保険募集人
生命保険・損害保険募集人は、生命保険や損害保険を販売するために必要な資格です。
『生命保険募集人・損害保険募集人(一般)』と『生命保険募集人(専門・変額)』の資格を取得することになります。
『生命保険募集人・損害保険募集人(一般)』の受験時のパソコンには、事前に配布され勉強に使うものと同じテキストが見れるようになっており、テキストを見ながら解答していくので満点を取ることも十分可能です。
『生命保険募集人(専門・変額)』は、一般よりは難易度は上がりますが、証券外務員ほどではありません。勉強なしでは当然落ちますが、勉強すれば大丈夫です。
銀行業務検定
銀行業務検定は、銀行員にとって定番の資格試験です。
法務・財務・税務・外国為替などの23系統・36種目の試験があり、それぞれの習熟度を測定します。
人によっては、系統・種目ごとに得意・不得意を感じることも多いようなので、受験する順番には気を付けたほうが良いかもしれません。
個人的には
- 財務(計算ちっく)
- 税務(計算ちっく)
- 法務(暗記が多い)
- 外国為替(暗記が多い)
の順が、簿記やFPの勉強と両立しやすいと思います。
配属先で担当する業務に関連する試験から勉強していくと、普段の業務にも活かせられるのでおすすめです。
ファイナンシャルプランナー技能士(FP)2級
FP(ファイナンシャルプランナー)とは、家計にかかわる金融、税制、不動産、年金制度などに関する幅広い知識を備え、相談者をサポートする専門家です。
FPは銀行業務にかなり生かされるので、必ず取得しておきましょう。
FP2級は、3級の内容に法人事業の内容が追加されます。また、受検資格があり以下のいずれかに該当する必要があります。
- 日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了した者
- 3級FP技能検定、または厚生労働省認定金融渉外技能審査3級の合格者
- FP業務に関して2年以上の実務経験を有する者
AFP認定研修はほぼテキストで済みますが、少しだけ課題が面倒なので、時間があるならFP3級を取ってから挑みましょう。
日商簿記2級
簿記では、企業の損益計算書、貸借対照表を作成する方法を学びます。
2級は、3級に比べると「原価計算」などの工業簿記も入ってくるため、大手企業の経理担当ができる程度の知識が身に付きます。
お取引先の財務諸表を読み解き、適切なコンサルティングを行うためにも必要な資格です。
なお、銀行員として融資をするなら簿記は必須資格です。
年収増俸・出世したい銀行員におすすめ資格一覧
「同期の中で1番に出世したい」「早く出世コースにのりたい」という人が、必ず取得しておきたい資格についてご紹介していきます。
難易度は上がりますが、自分のスキルアップやお客様からの信頼を得るためにも、積極的なチャレンジがおすすめです。
内部管理責任者 | 低い | 専門学校/通信不要 |
証券アナリスト | 中程度 | 不要 |
宅地建物取引士 | かなり難しい | 必要 |
ファイナンシャルプランナー技能士(FP)1級 | かなり難しい | あった方がいい |
中小企業診断士 | 高難易度 | 必要 |
不動産鑑定士 | 中程度 | 不用 |
税理士 | 高難易度 | 必要 |
公認会計士 | 米国公認会計士 | 鬼門/高難易度 | 必要 |
金融コンプライアンスオフィサー2級 | 中程度 | 不用 |
アクチュアリー | 高難易度 | あった方がいい |
安く勉強したいという方には「Studying」がオススメ。
僕は色々なオンライン受講できる講座を調べましたが、何よりも値段が安い+解説1.5倍速ができるので、Studyingで中小企業診断士の勉強をしました。
教育訓練給付制度付きの受講金額であれば69,300円。TACは早割でも340,000円なので比較すると安さがわかります。
マインドマップを使った学習方法が特徴的で、視覚的に学習するのが好き、という方であればかなりハマります。
色々な資格に対応しているので、ぜひStudyingを検討してみてください。
内部管理責任者
内部管理責任者とは、支店や部署の営業活動等が適正に遂行されているかについて管理を行う役割を担う人を指します。
現場で実際に金融取引をするというよりは、取引の正常化・健全化を図るべく取引をチェックしマネジメントする立場です。
銀行で管理職に就きたい人にとっては必須の資格になりますが、難易度は証券外務員一種に比べるとかなり簡単ですので、取得しておいて損はありません。
証券アナリスト
証券アナリストは、証券取引のプロフェッショナルです。
証券投資の分野において、高度な専門知識と分析技術を駆使して各種情報の分析や投資価値の評価をおこない、アドバイスや管理サービスを提供することができます。
アナリスト業務は無資格でも可能ですが、資格があれば、証券分野に関する高い知識をアピールすることができるため、お客さんからの信頼も獲得できるでしょう。
宅地建物取引士
宅地建物取引士は、不動産取引における専門家を指す国家資格です。
銀行では、融資や資産運用などにかかわる部署で「不動産担保登記」「不動産評価」をおこなうため、所持していると非常に役に立ちます。
不動産業者からの信頼も得やすく、住宅ローンの案件を多く狙うことも可能です。
また、都市銀行のほとんどがグループ会社に不動産販売会社を持っているので、宅建の資格は重視されますし、こなせる業務の幅が広がるため、出世にも良い影響を与えてくれます。
ファイナンシャルプランナー技能士(FP)1級
FP(ファイナンシャルプランナー)とは、家計にかかわる金融、税制、不動産、年金制度などに関する幅広い知識を備え、相談者をサポートする専門家のことです。
FP1級は2級よりもはるかに難易度が上がるので、しっかりと対策しなければ合格できません。
しかし、難易度が高い分、合格できれば自分の価値を大幅に上げられます。学科試験と実技試験の両方に合格する必要があるので、万全の対策をしてチャレンジしてみてください。
中小企業診断士
中小企業診断士は、国から唯一認められた経営コンサルタントです。
企業の経営に関わる知識を横断的に身につけられるため、今後の市場規模の拡大状況や地域経済の見通しなど、融資先企業の将来性を見極めたうえで判断できます。
経営について横断的視野で思考できる能力は、経営者層から重宝されるためお客様からの信頼はもちろん、銀行内での出世にも重要視される資格の1つです。
不動産鑑定士
不動産鑑定士は、不動産の適正な価値を鑑定するプロフェッショナルです。
依頼人からの「土地を売りたい・貸したい・贈与したい」などの要望に応じて、土地や建物の価値を判定したり、「土地の有効な使い方」についてコンサルティングを行います。
また、宅地建物取引士との知識との親和性が高いため、宅地建物取引士の資格を取得後に、不動産鑑定士の勉強を始める人も少なくありません。Wライセンスは実務上での大きなアドバンテージにもなるので、まとめて取得することをおすすめします。
税理士
税理士は、税金に関する業務を行うことができる専門家で、税理士にしかできない独占業務があります。
税務代理 | 税務署とのやり取りを本人の代わりにおこなう |
税務署類の作成 | 税務署へ出す申告書類を本人の代わりにおこなう |
税務相談 | 税金に関する相談にのる |
税理士資格を取得すると、顧客の税務相談にのることができるため、融資だけではない包括的なコンサルティングを行うことでお客様に喜ばれます。
銀行員の場合は「資金の貸付け・運用に関する事務に2年以上従事している」条件を満たすことで受験が可能です。
公認会計士 | 米国公認会計士
公認会計士は、会計分野の最高峰であり3大国家資格の1つです。
資格を取得することで監査や会計業務、自分で会計事務所を開業することもできます。
米国公認会計士は、取得したライセンスの州、もしくはMRA(国際相互承認協定)参加国で会計業務にあたることが可能です。
どちらの資格も銀行では財務諸表を扱うプロとして、法人営業で力を最大限に発揮できます。
最近では米国公認会計士を目指す人は多く、合格率だけで見ると日本の公認会計士よりも取得しやすそうな点が、人気を高めている要因の1つのようです。
金融庁が発表した2022年度の公認会計士合格率 | 7.7% |
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米国公認会計士協会(AICPA)が発表した
2022年度の米国公認会計士合格率 |
53.4%(4つのセクションの平均) |
金融コンプライアンスオフィサー2級
金融コンプライアンスオフィサーは、金融機関で従事する人の日常業務において直面する、コンプライアンスに関する諸問題に対処するために必要な実務知識の習得程度を測定する資格です。
支店の役職者は必ず取得しているといっても過言ではありません。難易度の高い試験ではないので、勉強をしっかりとすれば合格できます。
役職クラスを狙っている人は必ず取得しておきましょう。
アクチュアリー
アクチュアリーは、確率や統計などの数学的な手法を活用し、保険や年金に関する様々な問題を取り扱う専門家です。
銀行では、企業へのコンサルティング営業として取引先の企業年金制度・運用コンサルティングをおこなえます。
アクチュアリーは、難易度が高く資格保有者も少ないため、取得すればかなり重宝される資格です。
難易度の高い資格を取得するための勉強方法
銀行員が取得しておきたい資格は多岐にわたり、難易度もさまざまです。
「日々の業務に追われている銀行員」や「はやく出世したい」という人は1度の受験で合格したいですよね。
そこで、難易度の高い資格を取得するための勉強方法を3つご紹介します。
1冊の参考書をマスターする
複数の参考書に手を出すと、表現や記述の違いから知識が定着しにくいのでおすすめしません。
書店で数冊手に取り自分が「わかりやすい」「これなら勉強を続けられそう」と思った参考書を1冊選び、使い込むようにしましょう。
他の資格を勉強する際にも、同じ出版社に統一して参考書を購入していくと内容の構成が似ていることが多いので、すんなり頭に入ってきやすいですよ。
過去問を制覇する
資格取得や銀行の内部試験勉強に「過去問チェック」は必須です。
用語や出題パターンを把握し、類似問題が出たときに素早く解けます。
また、試験によっては、全く同じ問題や過去問を少し捻っただけの問題が出題されるので、過去問を100%解けるようになっておくだけで合格にかなり近づけます。
資格取得の勉強時間を習慣化させる
銀行員であれば、日々大量のタスクに追われていることでしょう。新入行員であれば、初めての業務やハードな研修、慣れない環境に「資格勉強の時間なんてとれないよ」と思いますよね。
僕は、銀行員として以下の3つの時間だけは確保し資格試験に1発合格してきました。
- 1日2時間は必ず勉強する
- 通勤中は勉強時間に充てる
- 退勤後はカフェで勉強してから帰る
自分の生活パターンに合った勉強習慣を見つけ勉強時間を確保しましょう。
まとめ
銀行員にとって、資格取得は自分の知識となるだけでなく、行内の評価やお客様からの信用に繋がる重要なものです。
簡単に取れるものばかりではありませんが、取得必須の資格や出世するのに有利な資格など、事前にわかっていると準備もできますよね。
ご紹介した資格を参考に取得に取り組み、周りと差をつけていきましょう。
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Webライター/シナリオライター。本業の営業経験を活かしながら、副業でWebライターや動画シナリオライターとしても活動中