株取引は副業として人気の高い方法のひとつです。
購入した株式を価格が上がったタイミングで売却すると、価格差によって利益を得られます。購入・売却のタイミングや銘柄選びが上手くいけば、大きな利益も期待できます。
そんな株取引を含む投資運用ですが、銀行員など金融機関に勤める人でも問題ないのでしょうか。株取引の性質的に、銀行員が行う場合はバレない方が良いと考える人も少なくありません。
本記事では銀行員が株取引を行うことに対する問題の有無や、バレないよう行う方法などを紹介します。株取引に興味のある銀行員の方の参考になれば幸いです。
関連記事:【抜け道】銀行員は副業できる?おすすめの副業6つも紹介
本記事のまとめ
- 銀行員の副業として株取引はリスクが高すぎる
- ルールを守った上で銀行員も株取引を行うことは可能
- 銀行員の副業にはリスクの低いブログやライティングがおすすめ
結論:銀行員の株取引はリスクが高い
結論、銀行員の株取引はリスクが高いです。
株式投資の成否は企業価値の上下と強く関係するため、内部事情に近い位置にいる銀行員には不適切と考えられています。
実際は株式価値が予測できるような業務に携わっていないとしても、銀行員の株取引自体にマイナスイメージがついているため、避けた方が無難です。
バレないように行えば問題ないと考えるかもしれませんが、たとえ必ず隠し通すと決めても、バレてしまうリスクが存在します。
株取引を行っている事実がバレる主な場面は次の2つです。
- バレる場面①:誤って公言してしまう
- バレる場面②:住民税などの額が不自然に大きい
それぞれ詳しく解説します。
バレる場面①:誤って公言してしまう
バレてしまう場面の1つが、何らかの拍子に誤って公言してしまうケースです。
銀行員の株取引に限った話ではなく、バレないよう隠すと決めた内容でも、誤って口にしてしまうケースが少なくありません。
業務と直接の関係がない話題、たとえば趣味などの雑談をしている場面で起きやすいです。
軽い雑談は内容そのものよりテンポの良さが重視されるため、あまり考えずに言葉を口にしてしまいます。
結果として株取引を行っているとバレてしまう発言を自らしてしまうのです。
直接的な内容ではなくても、株取引を行っていると推測できるような発言も存在するでしょう。口にする言葉の何が影響するか完全な予測はできません。
自身の発言がキッカケで銀行員の株取引が明らかになってしまう場面は十分に考えられます。
バレる場面②:住民税などの額が不自然に大きい
株取引の実行を推測できる発言が一切ないとしても、副業の可能性を疑われる場面があります。それは住民税など、所得の大きさと関係する支払額が不自然に大きい場合です。
銀行員など組織に勤める人は、給与から住民税が天引きされ、代わりに納付をしてもらえます。この住民税は所得額を基準に決まるため、副業での所得がある場合は、その分住民税の額も大きくなります。
住民税の額が不自然に大きい場合、経理や上司などから確認が入る可能性が高いです。
副業による所得が理由で住民税が大きいと伝えれば、副業の内容を聞かれるでしょう。
こうなると株取引を隠し通すのは非常に難しく、バレてしまう恐れが大きいです。
嘘で別の副業を伝えたとしても、それはそれで隠し通すことが増えてしまうため、リスクが上がる原因となります。住民税の額は副業の事実がバレる原因になりやすい要素です。
そもそも:銀行員の株取引はバレない方が良いのか
株取引を行っている事実は、自身の発言や住民税の額などからバレてしまう恐れがあります。
しかし銀行員の株取引は、本当にバレない方が良いのでしょうか。
バレない方が良いイメージが強く浸透していますが、憶測だけで結論を出すのは適切ではありません。事実をしっかりと把握した上で考える必要があります。
銀行員の株取引がバレても特に問題ないならば、堂々と行って良いでしょう。
バレない方が良い場合、銀行員の株取引が良くない理由を押さえ、その上で今後どうするかを考えるべきです。
銀行員の株取引はバレない方が良いのか、考える上で有用な要素について解説します。
ルールを守っていれば問題ない
銀行員を含め、金融機関で勤める人の投資運用にはさまざまな制限があるのは事実です。
しかし言い換えれば、ルールをしっかり守った上での投資運用ならば問題ありません。
銀行員の株取引で守るべきルールとして、以下のようなものが挙げられます。
- インサイダー取引の恐れがあるものは厳禁
- 短期売買は制限されているケースが多い
- 株取引を行う都度、申請・許可を得る必要がある銀行も
それぞれのルールについて詳しい内容は後述しますが、いずれも金融機関ならではの内容です。
制限があるため自由度はかなり低くなってしまいますが、銀行業務の都合上仕方のないものといえます。
ルールをしっかり守った上での株取引ならば、銀行員でも問題なく行なえます。
相手の心証が悪くなる恐れ
銀行員が株取引を行う際のルールさえ守れば、取引が違反行為にあたることはありません。
しかしたとえ問題ないとしても、相手の心証が悪くなる恐れがあるので注意が必要です。
いくらルールを守った上での問題ない株取引であっても、それを相手に納得してもらうのは難しいです。銀行員の株取引に悪いイメージがついている以上、なんとなく悪い印象がついてしまう恐れは否定できません。
業務を含む振る舞いに一切の問題がなくても、悪いイメージのある取引を行っている事実だけでマイナスの印象になってしまうケースがあります。
悪いことをしていないとはいえ、相手に与える印象には悪影響を与えてしまうのです。
相手の心証が悪くなり、やり取りに支障が生じる恐れがあります。
あえてバラすメリットはかなり少ない
銀行員として勤務する以上、株取引を行っている事実をあえてバラすメリットはほとんどありません。少なくとも銀行員の株取引に対してマイナスイメージを持っている相手には、バレないよう進めるのが無難でしょう。
銀行員の株取引に限らず、どうしても悪いイメージがつきやすい行為や事象が存在します。
このイメージが誤りで実際は問題ないと伝えるには、かなりの労力が必要です。
いちいちイメージ払拭に時間と手間をかけるデメリットは、株取引で得られるメリットより大きい恐れがあります。
銀行員として問題のないやり方で株取引を行っているとしても、相手に与える印象はどうしても悪くなってしまいがちです。
したがって株取引を行っている事実をあえてバラすメリットは考えにくいといえます。
銀行員が株取引をバレないための注意点
銀行員が株取引をする場合、バレないで行う方がメリットが大きいです。
しかし株取引の事実がバレないとしても、どのように進めても問題ないわけではありません。制限された中でも株取引を行うのであれば、注意点をしっかり守る必要があります。
銀行員が株取引を行うこと自体、悪いイメージがついているのが事実です。
それでも株取引をするのであれば、バレないよう注意するだけでなく、注意点を意識した上で進めましょう。
すでに少し触れていますが、銀行員の株取引で注意するべきポイントは主に以下の3点です。
- インサイダー取引に注意
- 投機的利益の追求(短期売買)も禁止
- 社内ルールをしっかり確認
それぞれの内容について解説します。
インサイダー取引に注意
インサイダー取引とは企業の関係者が業務で知り得た未公表の情報を使い、投資運用による利益を得る行為です。
一般の投資者が知り得ない情報を使える人が投資運用を行っては、証券市場の公平性・信頼性が保たれなくなってしまいます。そのため企業内部と近い位置にあり、情報を知りえる立場にある人は、その企業の株式を使っての投資活動が不可能となります。
銀行員は企業の内部事情に触れやすい職種です。
そのためインサイダー取引に抵触する恐れが大きく、注意喚起も非常に強くされています。
銀行や支店によって規定の内容はさまざまですが、取引している会社の株取引は禁止の可能性が高いです。
インサイダー取引は5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金が課される上、勤め先の銀行にも多大な影響を与えるため、絶対にやめましょう。
[参考|日本取引所グループ「インサイダー取引」、」e-GOV法令検索「金融証券取引法第197条の2項」]
投機的利益の追求(短期売買)も禁止
インサイダー取引に当たらない場合でも、多くの銀行では投機的利益の追求(短期売買)も禁止されています。
投機的利益の追求にあたる取引には、レバレッジを効かせる投資と、3ヶ月以内の売買が当てはまります。このうち株取引と関係する内容は、後者である3ヶ月以内の売買です。
株式を購入してから保有する期間が3ヶ月に満たないうちに売却を行う行為は、投機的利益の追求に抵触するため危険です。
投機的利益の追求は銀行の規則だけでなく、多くの証券会社でも禁止されています。証券会社の取引ルールに、金融機関で勤務する人の取引制限について記載があります。
インサイダー取引でない場合も、銀行員の短期売買による利益追求は禁止です。
株取引をバレないように行うとしても、投機的利益の追求にう当たらないよう注意しましょう。
社内ルールをしっかり確認
銀行員の株取引をバレないで進められる可能性もあります。
しかし万が一バレてしまった場合に、違反行為の指摘まで受けてしまっては大きな負担です。
バレても問題のない株取引を実行できるよう、社内ルールをしっかり確認した上で、ルールを遵守するのが安心です。
たとえば支店で取引している企業の株取引のみを禁止するのか、より広い範囲が禁止なのかは、銀行によって異なるでしょう。
許容されている範囲内での株取引をするために、制限の内容については入念な確認が必要です。
銀行員の株取引でルールを破ってしまった場合、「ルールを知らなかった」では済みません。バレないように行う前提としても、問題のない安全な方法を取るのが確実です。
銀行員で株取引をどうしてもやりたい人はこうしよう!
銀行員の株取引はさまざまな制限がある上に、隠し通すためのリスクが大きすぎると考えられます。
しかし投資運用は少ない労力で利益を得られる可能性があり、副業として魅力的なのも事実です。
株取引をしたい銀行員の方は、以下の点を押さえると安心の可能性が高まります。
- 違法行為にならないよう注意する
- 株取引について一切公言しない
- 住民税の納税方法を普通徴収にする
- 投資信託の方が安心
それぞれ詳しく解説します。
違法行為にならないよう注意する
たとえバレないように行うとしても、ルールは守る必要があります。
インサイダー取引をはじめ、株取引が違法行為にならないよう注意しましょう。
違法行為と認められた場合、取引で得た利益が没収されるだけでなく、罰金などの処罰も下されます。
前述したように、インサイダー取引は500万円以下の罰金もしくは5年以下の懲役です。
違法行為は期間や質の悪さによって罰が重くなり、バレないように行う株取引は悪質とみなされる恐れが大きいです。
したがってインサイダー取引に抵触する株取引を行うのは、得られるかもしれない利益に対してリスクが大きすぎると考えられます。
ただでさえ悪いイメージがついているからこそ、銀行員が株取引を行う際は法律の遵守を徹底する必要があります。
株取引について一切公言しない
株取引をバレないように行うには、相手の立場や関係性に関係なく、株取引について一切公言しないのが確実です。
銀行員の株取引に限らず、バレないよう隠したいと思う事実がある場合、一切の公言をしない覚悟が求められます。
発言した内容がどのように伝わるかはわかりませんし、一度誰かに伝わった内容が広まるのを防ぐのは非常に難しいです。
また一度でも公言すると自身の中でハードルが下がってしまい、口に出してしまう恐れが大きくなります。
最初は気を付けていたにも関わらず、「少しぐらい大丈夫」が積み重なって公言するようになってしまうのです。
話した相手から誰かに伝わりバレたくない相手にバレてしまう、もしくは注意が緩んで自らバラしてしまう恐れがあります。
株取引をバレないよう行うと決意したからには、一切公言しないよう注意が必要です。
住民税の納税方法を普通徴収にする
株取引など投資運用で得た利益にかかる住民税について、納税方法を普通徴収にするのも欠かせません。
副業で利益を得た場合、利益が20万円以下であれば所得税の確定申告は必要ありません。
しかし住民税については金額問わず、利益が発生した場合は申告が必要です。
その際に以下の手続きを行えば、株取引にかかる住民税は自身で納付できるようになります。
- 確定申告書B 第二表を用意する
- 下の方に記載されている「住民税・事業税に関する事項」の住民税の項目で、「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」で「自分で納付」に丸をつける
株取引など副業にかかる住民税については、役所から直接届く納付書を使って支払うことになります。
銀行員としての給与にかかる住民税のみが銀行に伝わるため、住民税の額が不自然になる心配がありません。
投資信託の方が安心
銀行員の株取引にはさまざまな制限がありますが、まったく不可能なわけではないとお話してきました。
とはいえ利益の追求が難しく、バレたときのデメリットが大きいため、バレないよう隠して行うのは負担となってしまいます。
もし株に関連する投資運用を行いたい場合、投資信託の方が安心です。
投資信託は運用の専門家が個別株や債券などに投資を行い、運用によって得られた成果が投資額によって分配される金融商品です。
特定の企業株を購入するわけではないためインサイダー取引の心配がなく、多くの銀行で制限の対象となっていません。
バレても一切問題ないため安心して運用できます。
ただし個別の株取引と比べ、どうしても収益性は落ちてしまいます。
リスクを抑え安心して行える反面、大きな利益は難しいと認識が必要です。
まとめ:銀行員も株取引をバレずにできるがやらない方が懸命
銀行員の株取引には悪いイメージがついており、実際に行う際にもさまざまな制限か課せられています。
バレないで行う方法もあるとはいえ、得られる利益に対してリスク・デメリットが大きすぎると考えられます。
銀行員の副業としてはおすすめできず、やらない方が懸命です。
銀行員が副業を行うのであれば、ブログやライティングなど、リスクがない上に技術・実績も得られるものがおすすめです。
自身が得意とする分野について執筆した結果で利益を獲得できます。
執筆のスキルが身につくのはもちろん、公開した記事が中長期的に利益を生み続ける可能性も高いです。
銀行員が副業をするならば、バレないよう注意が必要な株取引ではなく、ブログなどの執筆関係が最適です。
元バンカーのECオタクです。現在は中国OEMなどで生計を立てています。一企業の経営者です。